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安心な環境作り

  • 執筆者の写真: 木原
    木原
  • 10月17日
  • 読了時間: 4分

こんにちは。木原鍼灸総合治療院です。


当院では施設訪問も行っており

「痛みをとる」「体を整える」治療だけでなく、その人が暮らす環境を整えることにも力を入れています。


今回は、施設で実際に行っている クッションや補助具の作成・調整 の例をご紹介しながら、なぜ環境調整が大切かを文献と実践からお伝えします。


1.施設での環境調整 ― クッション・補助具づくりをやっています

当院では、来院される方の身体の状態や痛みの部位、動きやすさを観察したうえで、「どのような支え(クッション・補助具)があれば楽になるか」を検討します。


今回は看護師様から身体が斜めに傾くから何とかならないかご依頼を受けています。

身体が傾く理由はさまざまですが、介入して変化が望めるのか専門知識をもって

患者さんの疾患・症状・認知・運動能力を踏まえて判断します


例えば:

  • 腰や骨盤を安定させるクッションを作成し、座るときの負荷を減らす

  • 足元の補助具(台・ブロック)を調整して、立ち上がりやすくする

  • 手すり・杖と組み合わせて、移動補助具を使いやすく改良する

  • 寝返りや夜間のポジショニングに関するクッション配置の提案


これらは「こんな仕事も対象者に合わせてやっています」という支援の一端です。


今回は三角クッションを用意して車椅子の後ろに入れることをしました。


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実際、利用者さんから「座るとき腰がラクになった」

看護師様からも「姿勢がいい感じです」と好評をいただけてホッとしています。

作ったけれど効果がないこともあるのでこの辺りはやってみないと最終的にはわかりません。


他にも

後方への転倒防止バーがほしいとのことでレンタルを試みましたが、サイズがないとのことで自作しました。

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あくまでも気持ち程度の予防ですが、ないよりはマシかと判断しています。

車椅子に傷がつかないよう養生テープで保護しています。



このような補助具調整や環境支援は、「機能改善」+「生活のしやすさ向上」の両方を目指すアプローチなのです。


2.なぜ「環境調整」が大切なのか?実践と文献からの裏づけ

実践から見える成果

環境調整を取り入れたリハビリや在宅復帰支援では、動作やADL(日常生活動作)の改善例が報告されています。例えば、ある研究では、訪問リハビリで環境調整を含めた支援を行った超高齢片麻痺の方で ADLの向上 が得られた症例が紹介されています。J-STAGE

また、別の報告では、環境調整(例えば手すり設置、段差の改修など)を行ったことで、転倒リスクの軽減や動作の安定化が見られたとの報告もあります。明治国際医療大学

これらの事例は、「運動訓練だけでなく、環境を工夫すること」が生活の質を支えることを示しています。


3.当院の活動・実績をもう少し具体的に

当院では、次のような活動を実践しています:

  • 患者ごとにオーダーメイド補助具 市販品では合わない方には、クッションの厚み・形状を変えたり、素材を替えたりして調整します。

  • 環境観察+提案 来院時の動き方、座り方、歩き方を見て、室内や動線上の改善ポイントを提案しています。


こうした活動は、「こんな活動をしています」という院としての特色となっており、地域の患者さんやご家族から「ここなら安心できる」と信頼を得る要因になっています。


4.環境調整を導入する注意点

⚠ 注意点・注意すべきこと

  • 過剰適応は逆効果 補助具を使い過ぎると筋力や代償能力が落ちてしまうリスク。環境調整は「支え」すぎず「助け」すぎずのバランスが大事です。

    聞いた話ですが、階段を普段から使っていた人がエレベーターを使うようになって、それまでできていた動きが出来なくなってきたパターンは割とあります。

    また補助具に過度な期待を持つのも止めましょう。治療ではなく、補助レベルであることをご認識ください。


  • 個別性の徹底、費用対効果 同じ状態でも体格・動作パターン・痛み感じ方は人それぞれ。補助具・クッションも “ぴったり合う” 必要があります。しかし、それは高価になりやすく、実際に費用対効果が適当かも含めて相談する必要があります。


  • 定期見直し 身体状態や使い方が変わることもあるため、定期的なチェックと微調整が欠かせません。特にクッション類は早くへたるので、ランニングコストがかかることも意識が必要です。安い物ほど交換時期も早いです。



まとめ 〜「環境調整」は治療のパートナー

木原鍼灸総合治療院では、環境調整(クッション・補助具作成など)は、単なるサービスやオマケではなく、治療と生活支援をつなぐ大切な柱として位置づけています。


特に施設暮らしの方はご自身の状態が分からなかったり、言いにくくことが多いです。

また施設側もどうにかしてあげたいけど、どこに相談したらよいかわからず、困っていることが多いです。

そのようなところの架け橋になれたら私としても大変幸せなことです。


この物品はどうやって作ったの?など気になった方はどうぞお気軽にご相談ください。


 
 
 

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